フェミニスト理論2

 確かに、この理論は廃娼運動を行う際のフェミニストたちの矛盾を指摘している。フェミニストたちは、明らかに一般女性のセクシュアリティの商品化、よりも、売春婦たちの商品化のほうが喫緊に解決しなければならないと主張している。しかし、フェミニストの主張によると、性を商品化せざるを得ない状況にあるのはどちらのタイプの女性にも共通することである。
しかも、フェミニストたちはこの理論において売春行為の禁止を主張しているが、実際に性産業に従事している現場の声は「存続」の希望を表明している。さらに、セックスワーカーたちの希望は、性産業においても「人権の保護」を要求しているに過ぎない。
また、中村の主張によると、性産業における人権の保護と売春行為が良いか悪いかは別次元の論争であると主張している。たとえるのならば、容疑者の有罪・無罪か論じるのと、容疑者の人権を保護するかどうかの議論は別次元ということだ。
私自身この意見に賛成するし、セックスワークを議論していく上で重要な観点であると思う。しかし、フェミニストたちの「性の商品化」という発想は、今まで見えなかった隠されたエロスのコードを解体してきたのは明らかである。男性がすべての価値を独占し、商品価値のあるもの(権力、財貨、教育、情報など)を所有することを構造的に禁じてきたことを証明したのだ。